うさぎとの暮らし | かなり賢かった


ウサオと一緒に暮らし始めてもう5年以上経ちます。
ウサオはミニウサギといって、つまり雑種です。
本来はミニウサギという品種がちゃんと存在するらしいのですが、日本でいうミニウサギとは色々と混ざってしまった子達の事を言います。
だから耳の長い子もいれば、ネザーが混ざった耳の短い子もいる、よく言えば個性抜群な子が多いのも確かですね。

私は元々子供の頃から犬と一緒に暮らしていた根っからの犬派です。
現在は賃貸のマンションに住んでいるので、犬と暮らす事ができません。
でも、動物と暮らす楽しさは忘れられず…そんな話を知人にしたところ、ウサギはどう?と言われたのです。
(えぇ〜っ、ウサギ?)
私の中でウサギは、小学校の校庭の隅にある小屋にいるアレでした。
そしてウサギの世話の為に小屋に入った時、靴をガッツリ噛まれたという嫌な思い出もあったのです。

そんな話をしてからペットショップを覗くようになりました。
ケージの中にいるウサギを見てもどうもピンとくるものがありません。
もちろん鼻をピクピクさせ耳をピンと立ててキョロキョロする姿は可愛らしかった。
でもやっぱりソレはただのウサギで、犬の方が格段に可愛いと思いました。

ところがある日、立ち寄ったペットショップでウサオに出会ったのです。
生後1ヶ月半のウサオは、ケージの中でピョコピョコと飛び跳ねていました。
ペットショップの人にゴマ塩ちゃんと呼ばれていた黒と白のまだら模様のウサオ、隣にいたベージュ色の女の子の方がはっきり言って可愛かったけど、私はウサオを抱き上げてこの子を連れて帰ろうと思ったのです。
全くもって衝動的でした(笑)。
ウサオ、餌、草、トイレを買ってペットショップを後にしました。

ウサギが犬と決定的に違うところは、ウサギは捕食される側の動物だという事です。
その為、まずはウサオが安心して身を隠せる場所を作ってあげなければいけません。
もちろんペットショップにはたいそう立派なウサギ小屋が売っているのですが、いずれは部屋で放し飼いにしてあげたかったので、ウサオハウスは手造りする事にしました。
100円ショップでアレヤコレヤと材料を買い込みDIY、まずまずのモノが出来上がりました。

臆病で警戒心が強い上にまだまだ赤ちゃんだったので、最初のうちは気を遣いました。
時間を決めてケージから出し、環境や人に慣れさせて…。
数日経った頃にはケージの外で遊ぶ事が楽しくなったようで、よく外に出たがりました。
個体差はあると思いますが、ウサオはトイレもすぐに覚えて、失敗したのはほんの2〜3回程度だったと思います。

躾らしい躾などほとんどしていませんが、ウサオで困った事はあまりなかったと記憶しています。
一つだけ困った事と言えば、電気コードの類を噛みちぎることでしょうか。
携帯の充電コード、PCのLANケーブル、マウスのコードなどなど、自分が通る場所にソレがあると噛みちぎるらしいのです。
何度かはウサオに見えないところに隠したりしてみたのですが、ちょっとでも見かけると噛みちぎらずにはいられないようでした(笑)。
おかげで我が家は全て無線及びBluetoothになりました。

ウサオは呼んでもやってきません、犬のように人間が喜ぶ姿を見て嬉しがったりしないのです。
犬派の私はやっぱり犬とは違うのね…なんて思ったりしましたが、一緒に暮らすうちにそれなりにお互いの距離が短くなっていることに気が付きました。
私がベランダの縁に座ってタバコを吸っていたりすると、気が付くと一緒にそばに座っていたりするんです。
耳をピンと立てて、鼻をピクピクさせて外の様子を伺っているのか、私の様子を伺っているのか…可愛らしかったです。

言葉を理解するのも早く、普段私が外出する時は必ずウサオに声をかけてケージに戻していたのですが、いつの頃からか「お母しゃん、お買い物に行ってくるよ。」というと自分からケージに戻るようになりました。
ちゃんと犬と同様に家族として暮らしているウサオがそこにいたのです。
洗濯物を干す私の足元でクルクル回ったり、追いかけっこをせがんだり、撫でて欲しいとすり寄ってきたり、それはそれは想像していた以上に可愛らしいものでした。

ちゃんと個体識別も出来るらしく、私とふたりの娘以外の人間には違う対応をするのです。
いつだったかは、エアコンの取り付け業者が家に入ってきた時には、陰で潜んでいて通りすがりに襲いかかってましたっけ(笑)。
まぁ、ウサギが襲いかかるって、相手も気が付いていないんですけどね。

結論として、ウサギはお馬鹿な犬より賢かった訳です。
もちろん個体差は必ずあるので、お馬鹿なウサギもいると思いますが(笑)。

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