みんなの心の中にバリアフリーを


皆さんよくご存知のサムスン。
そのサムスンが作ったサプライズ動画を見て心が震えました。

Samsung – Hearing Hands – Duyan Eller from Koray Ercelebi on Vimeo.

聴覚に障害を持つ耳の不自由なひとりの青年。
家をでた直後、すれ違った男性に「おはよう」と手話で声を掛けられます。
その後に向かったベーカリーの店員さんは、買い物をする彼に手話で応対してくれました。
街角のフルーツマーケットで、買ったリンゴを落としてしまった男性を手助けすると、またもや手話で「ありがとう」とお礼を言われ、リンゴをひとつプレゼントされます。

実は同行している女性も仕掛け人のひとり。
サムスンのサプライズ企画スタッフの待機している場所へ、彼を誘導しているのです。
その後もタクシーのドライバー、うっかりぶつかりそうになる女性に手話で話しかけられます。
最後は等身大の女性がモニターから手話で彼に語りかけるのです。
サムスンが障害を持つ人とのコミュニケーションに役立つツールを開発したという告知とともに、今日のサプライズの種明かし。

青年は涙を流して感動していました。
おそらく人生で初めての体験だったはずです。
出会う人、すれ違う人、入ったショップで何のストレスもなく会話が出来て、思いや意思を伝えられる。

私達が普段当たり前のようにしている事、そのことを体験し涙を流して感動している彼の姿を見て、彼の普通と私の普通にこんなに距離があるんだとショックを受けました。
この日の彼の嬉しさと感動は、私なんかには想像も出来ない程大きなものなのでしょう。

自分に耳の不自由な娘がいたら? と想像してみて下さい。
外出した耳の不自由な娘に、手話でたくさんの人が話しかけてくれたら、娘が嬉しそうに会話を楽しんでいる姿を見ることができたらどんなに嬉しい事でしょう。

障害を持つ人のために色々なツールの開発が進んでいます。
そういった具体的なアイデアが増えていく事はとても有意義で素晴らしい事です。
障害を持つ人に少しでも役に立って欲しいです。

でも、もっと大切なのは私達の心の中がバリアフリーである事です。
この日の青年の驚きと笑顔と涙、障害を持っている人が求めているのは、もっとシンプルで普通の事なのかもしれません。

サムスンのスタッフの方たちへ
このサプライズがサムスンの経営戦略・大きなプレゼン企画だったとしても、みんなで手話を覚えあの青年の驚く笑顔を想像しワクワクしたんだと思います。
そしてサプライズが成功した時、企画段階で想像していたものよりももっと素敵なものを手にいれたのではないですか?
そんな素敵な感動を私にも伝えてくれて、ありがとうございます。

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