子育てのヒント | 「おいしいね」は大切な言葉


先日、お昼ご飯を食べにおうどん屋さんに行った時の事です。

大きなテーブル席で、私の前にヨチヨチ歩きの年頃の男の子とお母さんが座りました。
お母さんは子供をハイチェアに座らせて、何かを取りに行くのに席を離れました。
そんな事子育て中にはよくある事で当たり前、さほど広くない店内なので1分もしないうちに戻ってきます。
私が「えっ?」と思ったのは、おうどんが入った丼を子供の手の届くところに置いて行った事です。
私は丼を素早く見て、中身が冷たいおうどんである事を確認してホッとしました。
案の定、子供はお母さんが戻ってくるのは待たずに丼に手を伸ばしました。

コレってとってもダメな事なんです。
何がダメって、子供は悪くないんですよ、食べ物が目の前にあって、食べたいんですから。
普段からお母さんと一緒にテーブルについて「どうぞ、召し上がれ」「いただきます」をルールにしないとダメなんです。
「いただきます」が出来る準備が整うまで、子供の手の届くところに食べ物を置いてはいけません。
これは、お行儀の躾ともに子供を危険から守ってあげることにつながるのです。

その直後に戻ってきたお母さん、無言のまま(あらあら、しょうがないわねぇ)みたいな表情で隣に座り、これまた無言のまま幼児用のフードカッター(ハサミ型)でおうどんをカットし、これまた無言で子供の口に運んでいます。
子供の顔を見る事もせず、声をかける事もせず、ただひたすらおうどんをカットしては口に運び、それを繰り返しています。
子供の方も食べるというとても楽しく嬉しい事をしているはずなのに、笑う事も声をあげる事もせず無表情でモグモグしています。
如何なものか、如何なものか、あぁ〜嘆かわしい限りです。

子供は何でも驚くような力で吸収し、自分の中に取り込みます。
良い事はもちろん、悪い習慣も全てです。
生きる事のひとつである「食べる」ということ。
ちゃんと教えてあげなくてはいけません。
決して難しい事なんかではないんですよ。
できればテーブルの角に90度で向かい合い、ちゃんとお互いの顔が見えるように座ります。
ふたりで顔を見合わせて「いただきます」と言い、「おいしい?」「おいしいね」「冷たいね」「ちょっとしょっぱいね」などと声をかけながら食べる、言葉なんか通じなくてもいいんです、ただそれだけでいいんです。
子供はお母さんが大好きなんです、大好きな人が嬉しそうに笑っているだけで幸せなんです。
そんな些細な事だけで、子供は優しく思いやりのある子に育ちます。
弟や妹が生まれたらきっと同じ事をしてあげられる子になりますよ。

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